🌐 WordPressマルチサイト機能完全ガイド
WordPressマルチサイトは、1つのWordPressインストールで複数のサイトを管理できる機能です。企業の部門ごとのサイトや、多言語サイト、会員制サイトなど、様々な用途で活用できます。
マルチサイトとは?
WordPressマルチサイトは、1つのWordPressインストールから複数の独立したサイトを運営できる機能です。
通常のWordPress vs マルチサイト
通常のWordPress
- 1つのWordPressインストール = 1つのサイト
- 複数サイトを運営するには、それぞれ別々にインストール
- 管理が分散する
マルチサイト
- 1つのWordPressインストール = 複数のサイト
- 一元管理が可能
- テーマ・プラグインを共有できる
- ユーザー管理を統合できる
メリット:複数サイトの管理が効率化され、リソースの節約にもなります。
マルチサイトの活用例
1. 企業の部門別サイト
- 本社サイト:example.com
- 営業部:sales.example.com
- サポート:support.example.com
2. 多言語サイト
- 日本語サイト:example.com
- 英語サイト:en.example.com
- 中国語サイト:cn.example.com
3. ポータルサイト
- メインサイト:portal.com
- ユーザーごとのブログ:user1.portal.com、user2.portal.com
4. 教育機関・学校
- 大学本部:university.ac.jp
- 学部ごと:engineering.university.ac.jp、law.university.ac.jp
向いているケース:管理者が同じで、複数のサイトを運営する場合に最適です。
マルチサイトの2つの形式
| 形式 | URL例 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| サブドメイン型 | site1.example.com site2.example.com |
それぞれが独立したサイトに見える | ★★★★★ |
| サブディレクトリ型 | example.com/site1 example.com/site2 |
メインサイトの配下に見える | ★★★★☆ |
重要:マルチサイト有効化後は、形式を変更できません。慎重に選びましょう。
マルチサイトの有効化手順
警告:マルチサイト化は後戻りできません。必ず事前にバックアップを取ってください。テスト環境での事前検証を強く推奨します。
STEP 1: バックアップを取る
データベースとファイル両方の完全バックアップを取得してください。
STEP 2: wp-config.phpを編集
- FTPでサーバーに接続
- wp-config.phpをダウンロード
- 以下のコードを「編集が必要なのはここまで」の直前に追加:
追加コード:
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
- ファイルを保存してアップロード
STEP 3: ネットワーク設定
- WordPressにログイン
- 「ツール」→「ネットワークの設置」が表示される
- サブドメイン型かサブディレクトリ型を選択
- ネットワーク名とメールアドレスを入力
- 「インストール」をクリック
STEP 4: wp-config.phpと.htaccessを編集
画面に表示されるコードを、wp-config.phpと.htaccessに追加します。
wp-config.phpに追加(例)
define('MULTISITE', true);
define('SUBDOMAIN_INSTALL', true);
define('DOMAIN_CURRENT_SITE', 'example.com');
define('PATH_CURRENT_SITE', '/');
define('SITE_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('SUBDOMAIN_INSTALL', true);
define('DOMAIN_CURRENT_SITE', 'example.com');
define('PATH_CURRENT_SITE', '/');
define('SITE_ID_CURRENT_SITE', 1);
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
.htaccessに追加
表示されたコードを.htaccessの# BEGIN WordPressより前に追加します。
STEP 5: 再ログイン
一度ログアウトし、再度ログインします。「参加サイト」が表示されていれば成功です。
サブドメイン型のDNS設定
サブドメイン型の場合、ワイルドカードDNSの設定が必要です。
ワイルドカードAレコードの追加
- ドメイン管理会社のDNS設定画面を開く
- 新しいAレコードを追加
- ホスト名:*(アスタリスク)
- 種別:A
- 値:サーバーのIPアドレス
- 保存
効果:これにより、site1.example.com、site2.example.comなど、どんなサブドメインでもサーバーにアクセスできるようになります。
新しいサイトの作成
サイトの追加手順
- 「参加サイト」→「サイトネットワーク管理者」→「サイト」
- 「新規追加」をクリック
- サイトアドレス:site1(サブドメイン型)またはsite1(サブディレクトリ型)
- サイトのタイトル:サイト名
- 管理者メール:管理者のメールアドレス
- 「サイトを追加」をクリック
サイトの管理
- 各サイトごとに管理画面がある
- 特権管理者は全サイトを管理可能
- サイト管理者は自分のサイトのみ管理
ユーザー権限の種類
| 権限 | できること |
|---|---|
| 特権管理者 | ネットワーク全体とすべてのサイトを管理 |
| サイト管理者 | 割り当てられたサイトのみ管理 |
| 編集者・投稿者・寄稿者・購読者 | 通常のWordPressと同じ |
プラグインとテーマの管理
プラグインの扱い
- ネットワーク有効化:全サイトで自動的に有効化
- 個別有効化:各サイトで個別に有効化を選択
- サイト管理者はプラグインのインストールはできない(特権管理者のみ)
テーマの扱い
- 特権管理者がテーマをインストール
- 各サイトで利用するテーマを選択
- サイトごとに異なるテーマを使用可能
マルチサイトの注意点
1. 一度有効化すると戻せない
マルチサイト化を解除するには、サイトを再構築する必要があります。
2. 一部のプラグインが非対応
マルチサイトに対応していないプラグインもあります。事前に確認しましょう。
3. 複雑性が増す
通常のWordPressより管理が複雑になります。上級者向けの機能です。
4. サーバーリソースを共有
すべてのサイトが同じサーバーリソースを共有するため、1サイトの負荷が全体に影響します。
推奨:マルチサイトは上級者向け機能です。初心者の方は、まず通常のWordPressに慣れてから検討しましょう。
マルチサイトに向いている場合・向いていない場合
向いている場合
- 管理者が同じで、複数のサイトを運営
- テーマやプラグインを共有したい
- ユーザー管理を一元化したい
- サーバーリソースを節約したい
向いていない場合
- 完全に独立したサイトを運営したい
- サイトごとに管理者が異なる
- 柔軟なサーバー構成が必要
- 初心者で複雑な管理は避けたい
代替案:マルチサイトが不要な場合は、サイトごとに別々にWordPressをインストールする方がシンプルです。
まとめ
WordPressマルチサイトは、複数サイトを効率的に管理できる強力な機能ですが、上級者向けです。
マルチサイト導入のチェックリスト
- ✓ 本当にマルチサイトが必要か検討
- ✓ テスト環境で事前検証
- ✓ 完全バックアップを取得
- ✓ サブドメイン型かサブディレクトリ型を決定
- ✓ wp-config.phpと.htaccessを正しく編集
- ✓ DNS設定(サブドメイン型の場合)
- ✓ 使用するプラグインがマルチサイト対応か確認